2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04J08038
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Research Institution | Osaka University |
Research Fellow |
小林 実 大阪大学, 大学院・生命機能研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 第二高調波発生 / レーザー走査顕微鏡 / フェムト秒レーザー / マイクロレンズアレイ / 膜電位 / パッチクランプ |
Research Abstract |
1.生体組織内部での細胞膜電位の時間的・空間的な変化を1msの時間分解能で可視化する技術の開発を目的とし、第二高調波(SHG)測定装置の設計、試作を行った。試作した装置の光源には、生体透過率が高い近赤外域において発振するモード同期チタンサファイアレーザ(波長700-1000nm, Tsunami, Spectra Physics)を用いた。焦点の走査にはマイクロレンズアレイスキャナを用いた。このスキャナは必要な時間分解能を達成するために新規に設計、試作したものであり、マイクロレンズアレイを5000rpmで回転させることにより1msの走査時間を実現した。試料から発生するSHGの検出にはイメージインテンシファイアを用いた。試作した装置にホールセルパッチクランプ装置を組み込み、人為的に細胞に電位を加えることを可能とした。 2.入射光の偏光に対する第二高調波発生の強度、偏光、放射パターンを解析した。位相板を用い、焦点における光軸に平行な電場成分を増強することで、光軸に垂直な面からのSHGを効率よく検出できることがわかった。 3.SHGを検出する際に、背景光となる蛍光による影響を除去するために、信号光を時間分割検出する方法について、実験により詳細に検討した。実験ではゲート付きイメージインテンシファイアを用い、複数の焦点からの光を時間分割検出した。結果、SHGと背景光となる蛍光の検出比を10^3以上にできることを確認し、また、検出器の暗電流が99%以上減少することを確認した。
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