2005 Fiscal Year Annual Research Report
密度の跳びのある界面の不安定性の非線形発展と渦ダイナミクス〜MD手法を用いて〜
Project/Area Number |
04J08079
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
堀越 将司 大阪大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | レーリー・テーラー不安定性 / 渦 |
Research Abstract |
3次元レーリー・テーラー不安定性(RTI)の非線形発展においては密度の跳びの方向と圧力勾配の方向に直交する成分が生じ、バロクリニック効果、渦度が局所的に生成、消滅し、界面の複雑な形状発展を生じさせると考えられる。 3次元ではバブルとバブルの間(スパイクとスパイクの間)に鞍部が存在するため、3次元と2次元との非線形発展は本質的に異なることが予想される。通常は、圧力勾配は重力の方向にあるため生成される渦は重力に垂直な面内に現れるが、この鞍部の存在により重力の方向に渦が生じ、界面の急激な形状変化を引き起こすことを見出した。 バブル競合の問題だけでなく界面の構造変化と渦との関係を明らかにするために、最も単純な系として、基本波長とその2倍の波長の擾乱を初期に与えることを提案し、振幅の異なる大中小のバブルの非線形発展を調べた。弱い非線形成長から強い非線形成長に移行する過程では、バブル入り口付近の界面形状が複雑に変化することを見出した。RTIのこの非線形発展を渦の観点から解析し、3次元RTI特有の鞍部での重力方向の渦の生成が界面形状変化に本質的な働きをすることを明らかにした。すなわち、鞍部は淀み点となるため周囲との速度差が生じ、それによって圧力差が重力に垂直な面で生じ(ベルヌーイの定珪)、その圧力勾配によって、バロクリニック効果で重力に平行な縦渦が生成される。これらの縦渦の相互作用がバブル入り口付近の界面の非線形形状変化を決定することを明らかにした。これらの縦渦の生成とその相互作用により大中小それぞれのバブル入り口の形状が異なった時間変化をすることを明らかにした。この入り口形状の変化の差異が、強い非線形成長での異なったバブルの成長速度を生じさせることを示した。
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Research Products
(1 results)