2005 Fiscal Year Annual Research Report
周期的ナノ構造ポーラスシリカ薄膜の合成とその半導体低誘電率層間絶縁膜への応用
Project/Area Number |
04J08138
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
田中 俊輔 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | メソポーラスシリカ / 薄膜 / 気相合成 / 低誘電率層間絶縁膜 |
Research Abstract |
界面活性剤とテトラエトキシシラン蒸気が接触することによって規則構造を有する界面活性剤-シリカ複合体が得られることを見出し、この新しい着想に基づいてメソポーラスシリカ薄膜の設計と合成を行い、半導体用低誘電率(low-k)絶縁膜への応用を目指して研究を行った。 通常、メソポーラスシリカ合成はシリカ源と界面活性剤からなる溶液からの析出によって得られる。本手法(気相合成法)では、非イオン性ブロック共重合体(Pluronic F127)の薄膜にテトラエトキシシランを気相で接触させることにより規則性の高い大細孔メソポーラスシリカ薄膜を合成することに成功した。反射X線小角散乱法(GISAXS)を用いて、薄膜がR-3m構造を有し、基板に対して(111)配向していることを明らかにした。R-3mのlattice constantsはa=17nmおよびα=70°であった。一般的にメソポーラスシリカは薄膜化することによって安定性が著しく低下し、規則構造が収縮するのに対して、本手法で得られたR-3mメソポーラスシリカ薄膜は大きなlattice constantsを維持していることがわかった。 low-kとしての物性評価として種々の薄膜の比誘電率測定を行い、疎水性が薄膜の低誘電率化に大きく影響する結果を得た。そこで、薄膜合成(焼成前、焼成後)の各段階において有機シランを用いた処理を行い、疎水化処理と比誘電率との関係を明らかにした。焼成後に疎水化処理を行った薄膜では、比誘電率を1.6まで低下させることに成功した。 気相合成法はChemical Vapor Depositionに類似しており、薄膜の大量連続合成が可能なため、工業化に適している。また、界面活性剤濃度および合成温度を制御することで、ケージ状細孔を有するR-3mとチャネル細孔を有するc2mmの構造制御が可能であることを明らかにした。
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Research Products
(2 results)