2004 Fiscal Year Annual Research Report
金属酸化物半導体の光エネルギー変換機能の向上をめざした表面光反応機構の解明
Project/Area Number |
04J08141
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Research Institution | Osaka University |
Research Fellow |
中村 龍平 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 光触媒 / 光エネルギー / 二酸化チタン / 可視光応答化 / 表面反応 / 表面分光法 / 電子移動 / ルイス酸塩基 |
Research Abstract |
二酸化チタンに代表される金属酸化物半導体は、光エネルギー変換や光環境浄化に適した光触媒として、多くの研究がなされている。特に最近では、窒素などの他元素のドープ等による可視光応答化の研究が行われ、効率の向上がはかられている。しかし、この場合、どこまで可視光化できるかという問題とともに、光活性や耐久性の低下が心配されている。これらの問題を解決し、真に高性能な光反応系を実現するためには、金属酸化物や窒酸化物表面で起こる光反応の機構を明らかにし、それを踏まえた材料開発を行う必要がある。 以上の観点から、私は分子レベルでの明確な反応機構の確立を目的に、表面反応の中間体の分光学的in situ直接観察および金属酸化物表面構造の原子レベル制御の2点から研究方法の開拓を進め、これを通じて反応機構の解明を行ってきた。本年度は、特に光機能界面として最も重要であるTiO_2微粒子/水溶液界面における水の光酸化(酸素発生)反応(2H_2O+4h^+→O_2+4H^+)に焦点をあて、この反応の機構を原子・分子のレベルで解明を行った。その結果、光酸素発生反応の開始反応とし"水分子の求核攻撃機構(ルイス酸・塩基機構)"を提案した。これは、水の光酸化反応が"電子移動型の酸化機構"によって進行するという従来の常識を大きく覆す結果であり、可視光応答性光触媒の活性化と安定化、さらには過電圧の低下が切望されている酸素電極反応の高効率化の研究に重要になると考えられる。
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Research Products
(4 results)