2005 Fiscal Year Annual Research Report
自然共生型物質変換プロセスの構築を目指した新規不均一系触媒の開発
Project/Area Number |
04J08143
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
原 孝佳 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 高機能性固体触媒 / ハイドロキシアパタイト / 無機結晶性化合物 / 自然共生型物質変換プロセス / バナジン酸アパタイト / 炭酸ガス固定化反応 / 炭素-炭素結合形成反応 / 不斉合成反応 |
Research Abstract |
本申請研究では、種々の物理化学的性質を自在に制御できる魅力的な無機結晶性材料であるハイドロキシアパタイト(HAP)の諸特性に基づき、新規な高機能不均一系触媒を創製し、自然共生型物質変換プロセスを開発することを目的とした。具体的には、HAPの特性であるカチオン交換能を利用し、固体表面を配位子とするZnやRuなどの遷移金属およびLaやYbなどの希土類金属リン酸錯体触媒の創成、また、吸着能を利用した金属ナノクラスター触媒の開発を行った。また、HAPのアニオン部位であるリン酸をバナジン酸へと全置換したカルシウムバナジン酸アパタイト(VAp)触媒の合成も行った。これら合成した不均一系触媒を用い、水溶媒中での効率的炭素-炭素結合形成反応(Michael反応やAldol反応)、炭酸ガスの化学的固定化反応などの自然共生型物質変換反応にてその性能を評価した。またファインケミカルズ合成に必要不可欠な不斉炭素-炭素結合形成反応による高付加価値化合物の合成プロセスを構築した。さらに種々の分光学的手法(UV-vis,FT-IR,XRD,XPS,NMR,ESR,XAFS,SEM,TEM)を用いて詳細に活性点近傍の微細構造を決定することにより、その優れた触媒機能と分子構造の関係を明らかにした。本申請研究を通した新規固体触媒の創製は、触媒設計分野のみならず、高機能性材料の創製を目指すナノテクノロジーの幅広い分野においても重要な知見を与えたと考える。 本申請研究の成果は学術雑誌へ既に投稿済みであり、またワシントン(アメリカ合衆国)で開催された国際学会をはじめ、国内における学会においても発表を行った。
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