2005 Fiscal Year Annual Research Report
造血及びアポトーシスにおける染色体DNA分解の生理作用
Project/Area Number |
04J08174
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
岡部 泰賢 大阪大学, 医学系研究科, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | DNaseII / インターフェロン / マクロファージ / アポトーシス / TLR |
Research Abstract |
アポトーシスの過程では死細胞の染色体DNAが積極的に分解される。このDNA分解には死細胞内で作用するDNase(CAD,caspase-activated DNase)と、死細胞を貪した後、マクロファージで作用するDNaseIIが関与している。これまでの研究の過程で、DNaseIIを欠損するマウスではマクロファージが未分解のDNAを大量に蓄積すること、そしてIFNbを初めとする自然免疫系が構成的に活性化され、その作用によりマウスは胎生期に死滅することを示した。 本年度は、DNAを分解できず蓄積するDNaseII欠損マクロファージにおいて、IFNb、CXCL10、TNFa遺伝子が特異的に活性化されている事を明らかにした。また、DNaseII欠損マウスから調製したマクロファージやmouse embryonic fibroblast(MEF)にアポトーシス細胞を貪食させるとこれらの遺伝子が活性化されたことから、リソソームでの分解を逃れたDNAが自然免疫系を活性化することを示した。ところで、Toll-like receptor(TLR)はバクテリアDNAやウイルスRNAを認識し、自然免疫系を活性化する事が知られている。DNaseII欠損マウスと種々のTLR欠損マウスやそのアダプター因子の欠損マウスを交配することにより自己の未分解のDNAがTLRの機構を活性化している可能性を検討したが、このシグナルはTLR非依存的であった。 以上の知見により、自己DNAの分解機構の破錠がバクテリアDNAやウイルスRNAによるシグナルとは異なる経路で自然免疫系を活性化することが明らかとなった。
|
Research Products
(2 results)