2004 Fiscal Year Annual Research Report
脂質二重膜上に於けるアルツハイマーβアミロイド線維の直接伸長観察
Project/Area Number |
04J08265
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
伴 匡人 大阪大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | アミロイド線維 / amyloidβ(1-40) / 脂質膜 / 表面相互作用 / 全反射蛍光顕微鏡 / 化学修飾基板 |
Research Abstract |
近年の研究から、生体内に於いて、可溶性タンパク質の構造変換を促し、アミロイド線維の形成を引き起こす原因の一つとして、細胞膜表面との相互作用が注目されている。実際、リン脂質膜を用いたin vitroの研究では、前駆蛋白質と膜の相互作用により、アミロイド線維形成が促進されることが報告されている。さらに、原子間力顕微鏡を用いた直接観察から、アミロイド線維の大きさや形状、また伸長速度が表面の特性に大きく依存することが、報告されている。従って、表面相互作用が形成、伸長に与える影響を詳細に調べることは、アミロイド線維の形成を理解する上に、非常に重要である。石英は、顕微鏡のスライドガラスとして広く使われており、化学修飾により疎水性、親水性、電荷といった表面特性を変えることができる。表面相耳作用がamyloidβ(1-40)アミロイド線維の形成、伸長に与える影響を調べるために、化学修飾を施した石英スライドガラスを用いて、全反射蛍光顕微鏡により直接観察を行った。疎水性に富むスライドガラス上では、アミロイド線維の形成、伸長共に起こらなかった。これに対し、陰電荷を帯びたスライドガラス上では、アミロイド線維形成、伸長共に促進された。また陽電荷に帯びたスライドガラス上では、修飾に用いた化学物質によりアミロイド線維形成が影響を受けることが観察された。これらの観察結果から、アミロイド線維は、表面相互作用にのみならずに、用いる化学種の特性にも大きく影響を受けることが明らかになった。また一部のスライドガラス上では、アミロイド線維が配向している様子が観察されたので、表面相互作用は、アミロイド線維の形成機構の解明だけではなく、アミロイド線維の工学的利用にも大きな役割を果たすと考えられる。今後、より詳細に表面相互作用の影響を調べるために、リアルタイム伸長観察及び、異なる表面特性がパターン化されたスライドガラス上での形成・伸長観察を引き続き行う予定である。
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