2004 Fiscal Year Annual Research Report
近接場光学に基づく微細回路パターン付Siウエハのナノ欠陥計測に関する研究
Project/Area Number |
04J08325
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
吉岡 淑江 大阪大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 配線パターン付きウエハ / 欠陥検出 / 近接場光 / 半球レンズ / フーリエ変換像 / 暗視野 / 表面付着異物 |
Research Abstract |
本研究は近接場光(エバネッセント光)の非伝搬特性を利用し,次世代半導体回路パターン付きSiウエハ表面上の微小欠陥を高感度に検出・評価する計測技術を開発することを目的としている.この計測技術は,輪帯状のレーザ照射と全反射が可能な高屈折率半球レンズによって発生する暗視野輪帯エバネッセント光を回路パターン付きSiウエハに近接照射して,欠陥から生じる散乱光をフーリエ変換像として検出することで,ナノスケールの異物などを高感度に検出・識別するものである. 本年度は,上記提案手法の基本特性を検証するために,近接場基礎実験装置の設計・試作を行い基礎実験により確認を行った,下記に行った研究項目を示す. 1.テーパ型半球レンズ光学ユニットの設計・試作 2.近接場基礎実験装置の設計・試作 3.提案光学系の基本照明特性の検証 4.AFM用Si探針を用いた近接場散乱光検出実験 以上の研究で得られた研究成果を以下に示す. (1)半球レンズの底面と試料の表面がより近接しやすいようにテーパ型に加工した半球レンズを用い,光学部品として実験装置に組み込むために近接場発生光学ユニットを開発した, (2)光源には可視光のAr^+レーザ(波長488nm)を用い,ピエゾ素子による精密な位置決めステージや微弱な散乱光を検出する高感度冷却CCDカメラ等を含む近接場基礎実験装置を設計・試作した. (3)開発した光学ユニットを用いて試作した基礎実験装置の照明特性を検証し,ほぼ理論値どおりの輪帯エバネッセント照明光になっていることが実験的に確認された. (4)AFM用Si探針先端(先端曲率半径:5-10nm)を欠陥のサンプルとして基礎実験を行い,針先端による近接場散乱光の検出に成功した.この実験結果は本提案手法がナノオーダの欠陥を検出できる可能性を示唆している.
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