2005 Fiscal Year Annual Research Report
プログラム自己組織化を用いたナノ磁性体配列形成と新規磁気特性の探索
Project/Area Number |
04J08357
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Research Institution | Osaka University |
Research Fellow |
山田 郁彦 大阪大学, 基礎工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ナノ微粒子 / 分子デバイス / プローブ顕微鏡 / DNA / 表面分析 |
Research Abstract |
プログラム自己組織化によるナノパーティクルの配列制御に向けた基礎技術である、走査型プローブ顕微鏡によるポテンシャル測定の開発を行った。 分子デバイス作製や、パーティクル配列による磁性制御を行うような構造は主に絶縁体上に作製され、構造を単粒子・単分子単位で観察及び評価するには走査型プローブ顕微鏡を用いた測定が適しているが、これまでの測定手法では絶縁体上構造のポテンシャル測定は不可能であると考えられてきた。構造作製段階においては分子やパーティクルと基板間にクーロン力などが強く働くため、基盤の電荷分布を測定しなければならない。また、構造の評価として、構造に出入りする電子の動きを測定する必要がある。 今年度は絶縁体上ポテンシャル測定の理論的解析と構造変化・分子の付着によるポテンシャル変化の観察を行った。現在までの結果で、絶縁体上のポテンシャルを測定してきたが、測定メカニズムが不明だったので、試料とTip、装置全体の電界を有限要素法を用いて計算し、Tip-試料表面間にかかる電界強度から測定メカニズムの解明を行った。その結果、Tip-試料表面間には測定に必要なオーダーのAC変調およびDC電圧が印加されるため、絶縁体上でも測定が可能であると裏付けを得た。また、実験では、DNAに分子が付着することでDNA単体とDNAと分子複合体のポテンシャルおよびキャパシタンス変化を測定することができた。また、同じようなサイズの塩とタンパクのキャパシタンス・誘電率が違うことを示す実験結果を得た。これは分子素子の分野のみならず、生物の分野でもナノサイズの分子識別を単分子単位で可能であることを示すと考えられる。
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