2005 Fiscal Year Annual Research Report
半導体レーザー励起超短パルス高強度固体レーザーの開発研究
Project/Area Number |
04J08368
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
時田 茂樹 大阪大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 固体レーザー / 高出力レーザー / Yb : YAG / セラミックレーザー |
Research Abstract |
本研究の目的は、半導体レーザーで直接励起可能な次世代の超短パルズ固体レーザーを開発することである。高平均出力、高効率動作が可能な新しいレーザー媒質として77K程度の低温で動作するYb : YAG結晶に着目し、諸特性の詳細な測定及び高平均出力動作の実証実験を行った。 熱伝導率は高平均出力レーザーを設計する上で最も重要なパラメータである。4〜300Kにおける熱伝導率の温度依存性とYb濃度依存性の測定を行い、低温ではYb添加による熱伝導率の低下が顕著になることを明らかにした。熱伝導率は±5%の絶対精度で測定し、得られたデータを用いて数値解析を行うことにより、半導体レーザー励起時に生じる熱レンズ効果が精度よく予測できることを実証した。これにより低温Yb : YAGを用いた高平均出力レーザーの詳細な設計が可能になった。また、近年、新しいレーザー媒質として注目されているYb : YAGセラミックスについても同様の測定を行い、低温における熱伝導率のふるまいを明らかにした。セラミックスは200K以上の温度では単結晶と同じ熱伝導率を示したが、それ以下の温度では低い熱伝導率を示した。低温における単結晶との熱伝導率の違いは最大で一桁程であった。 Yb : YAG結晶の熱伝導率は低温で劇的に向上するため、高平均出力・高ビーム品質動作が可能である。液体窒素冷却したYb:YAG結晶を用いた高性能な高平均出力Qスイッチレーザーを開発した。最大平均出力74Wが得られ、70W級のQスイッチレーザーとしては世界で最も高い60%という非常に高い光-光変換効率と高いビーム品質(M^2<1.4)を同時に達成した。
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Research Products
(4 results)