2004 Fiscal Year Annual Research Report
ジエンアセタール類に対する分子内ハロエーテル化反応とその天然物不斉合成への応用
Project/Area Number |
04J08375
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
大場 雄介 大阪大学, 大学院・薬学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 分子内ハロエーテル化反応 / rubrenolide |
Research Abstract |
光学活性C_2対称ヒドロベンゾイン由来のジエンアセタール類に対する分子内ハロエーテル化反応によって、容易に得られる光学活性化合物は、不斉源として用いたヒドロベンゾインユニットが組み込まれ、それによって強固に固定された特異な構造を有している。今回、鎖状のジエンアセタール類に本反応を応用し、以下の成果を得た。 1.鎖状のジエンアセタール類に対する分子内ハロエーテル化反応 鎖状のジエン(4R,5R)-2-(1-allyl-1-hydroxy-3-butenyl)-4,5-diphenyl-1,3-dioxolane類に対して、求核種として水を用いてハロゲン陽イオン種を反応させたところ、2回の分子内ハロエーテル化反応が連続して進行し、立体選択的に多置換テトラヒドロフラン誘導体を得ることに成功した。さらに、得られた化合物に組み込まれた不斉源由来のヒドロベンゾインユニットを利用し、テトラヒドロフラン体の二つのヨウ素の一方のみ選択的に求核種を導入することにも成功した。 2.天然物rubrenolideの不斉合成への応用 文献既知の2-allyl-4-pentehalと光学活性ヒドロベンゾインから得たジエンアセタールに、前述の分子内ハロエーテル化反応を行い、目的とする多置換テトラヒドロフラン誘導体を得た。さらに、アセタールの加水分解により、生成したヘミアセタールを酸化してラクトンとし、ヒドロベンゾインユニットを除去して鍵合成中間体(3R,5R,2'S)-5-iodomethyl-3-oxiranyl-methy dihydrofhran-2-oneを得た。次に、そのエポキシドに対してcuprate試薬を反応させた後、塩基処理によりラクトン環を巻き直し、次いで酸加水分解によって、計8工程、総収率約15%で天然物rubrenolideの不斉合成を達成した
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Research Products
(2 results)