2005 Fiscal Year Annual Research Report
ジエンアセタール類に対する分子内ハロエーテル化反応とその天然物不斉合成への応用
Project/Area Number |
04J08375
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
大場 雄介 大阪大学, 大学院・薬学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | Cerium Ammonium Nitrate (CAN) / 2-Hydroxy Ethyl Ether / Intramolecular Haloetherification / Natural Products |
Research Abstract |
現在までに、光学活性C_2対称ヒドロベンゾイン由来のジエンアセタール類に対する分子内ハロエーテル化反応を開発し、簡便に光学活性多置換シクロヘキセンおよびテトラヒドロフラン誘導体を得る方法論を確立している。さらに、本法により得られた化合物には、不斉源のヒドロベンゾインユニットが組み込まれ、必要に応じて除去しなければならないが、それを利用して、更なる立体選択的な官能基変換を行えるという特徴を有している。また、そのユニットはアルコールの保護基としても利用できることから、有用な天然物のキラルシントンとなると考えられる。しかしながら、従来法では、Birch還元やhydrogenolysisを用いるため、不安定な官能基存在下、そのユニットを除去することは不可能であった。そこで今回、cerium ammonium nitrate(CAN)を用いたその新規脱保護法を開発した。 不斉源のユニットが2-hydroxy ethyl ether構造であることに着目し、炭素-炭素結合の均等開裂による除去が可能であると考えた。そこで、種々の一電子酸化剤を検討した。その結果、PhI(OAc)_2やPb(OAc)_4では反応が複雑となったが、2等量のCANを用いた場合、首尾よく不斉源のヒドロベンゾインユニットを除去することに成功した。また、分子内に不安定な官能基(OTs, I, Brなど)や、オレフィン、エステルなど有する基質を用いて検討したところ、それらの官能基に影響を与えることなく、不斉源のユニットを除去できる非常に温和な方法であることが分かった。さらに、Ph基の置換していない2-hydroxy-ethyl-etherの場合にも同様に、そのユニットを除去することに成功した。
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Research Products
(3 results)