2006 Fiscal Year Annual Research Report
ジエンアセタール類に対する分子内ハロエーテル化反応とその天然物不斉合成への応用
Project/Area Number |
04J08375
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
大場 雄介 大阪大学, 大学院薬学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | Chiral Auxiliary Multi-Use / (+)-Sch 642305 / CAN / 2-hydroxyethyl amine / 2-hydroxyethyl ether |
Research Abstract |
これまでの研究で、光学活性C_2対称ヒドロベンゾイン由来のジエンアセタール類に対する分子内ハロエーテル化反応により、簡便に光学活性多置換シクロヘキセンおよびテトラヒドロフラン誘導体を得る方法論を確立している。本法により得られた化合物には、不斉源のヒドロベンゾインユニットが組み込まれているため、それを利用して(1)立体選択的な官能基変換、および(2)アルコールの保護基として利用(Chiral Auxiliary Multi-Use Methodology)すれば、天然物の有用なキラルシントンとなると考えた。今回、この考えに基づき研究し、以下の成果を得た。 (1)天然物(+)-Sch 642305の不斉全合成 シクロヘキサジエンアセタールの分子内ハロエーテル化反応で得られる光学活性シクロヘキセノン構造に組み込まれた不斉源のユニットを高次に利用して、市販化合物から13工程で(+)-Sch 642305の不斉全合成を達成した。さらに本研究過程において、ethoxyacetyleneとhydroxycarboxylic acidからethoxyvinyl esterを合成した後、分子内アシル化反応(マクロラクトン化反応)条件に附すことで、温和な条件下マクロラクトン化合物が効率的に得られることを見出した。 (2)CANによる2-hydroxyethyl amineおよび2-hydroxyethyl etherの均等開裂反応 これまでの研究で、温和な条件下2-hydroxyethyl etherがCANにより均等開裂することを報告している。今回、さらに本法が2-hydroxyethyl amine類にも応用可能であることを見出した。
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Research Products
(4 results)