2006 Fiscal Year Annual Research Report
電子移動触媒を利用した高効率高選択的不斉触媒反応の開発
Project/Area Number |
04J08398
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
湯浅 順平 大阪大学, 大学院工学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 電子移動 / キラル / 金属イオン / キノン系補酵素 / ヒドリド移動 / ルイス酸 / ラジカルアニオン / NADH |
Research Abstract |
補酵素類縁体であるp-および炉キノン類のラジカルアニオン種と金属イオンとの錯体をESRによって直接検出し、このラジカルアニオン-金属イオン錯体の結合様式を系統的に明らかにした。このようなラジカルアニオン-金属イオン錯体の結合様式とキノン類の電子移動反応との関係を調べ明確にした。また、この結合様式の違いを温度によって制御することで新規なサーモクロミズムシステムを構築した。さらにプロトン化されたアミノ酸と水素結合したセミキノンラジカルアニオン種をESRによって初めて直接検出することに成功し、キノン類の電子移動反応がセミキノンラジカルアニオン種とプロトン化されたアミノ酸と水素結合することで促進されることを見いだした。(Abgew.Chem.Int.Ed.,2007,46,in press) 一方、NADH類縁体からキノン類への水素移動及びヒドリド移動反応機構が一段階の移動機構(2電子過程)から電子-プロトンの逐次的な移動機構(1電子過程)へと切り替わる反応の境界領域を明らかにした。(J.Am.Chem.Soc.2006,128,4938-14948;J.Am.Chem.Soc.2006,128,14281-14292.)さらに金属イオンと架橋配位子の段階的な錯形成を利用して、特定の金属イオン濃度域でのみ発光する蛍光センサーのシステムを開発した。(J.Am.Chem.Soc.2006,128,15976)
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