2005 Fiscal Year Annual Research Report
SOX転写因子群による中枢神経系の分化と領域化をゼブラフィッシュを用いて解明する
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04J08463
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
奥田 雄一 大阪大学, 大学院・生命機能研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | sox遺伝子 / ゼブラフィッシュ |
Research Abstract |
本年度の研究によって新たに以下のことを明らかにした。 1.ゲノムの比較から、魚類特異的なグループB1 sox遺伝子であるsox19a/bが哺乳類のSox15とオーソログの関係にあることを明らかにした。 2.グループB1/Gに属するsok遺伝子が、もともとは共通の一つの遺伝子から二度の倍加を経て生じたことを明らかにした。 3.ルシフェレースアッセイを用いて、それぞれのsox遺伝子に対するモルフォリノオリゴヌクレオチドが、標的遺伝子特異的な阻害効果を示すことを明らかにした。 4.一つの標的遺伝子に対して、二種類のモルフォリノオリゴヌクレオチドを用いることで、阻害効果は相乗的に高くなることを明らかにした。 5.グループB1 sox遺伝子が、初期の中枢神経系の発生において、サブファミリーとして共通の役割を持っているのか、個々のsox遺伝子として単独の役割を担っているのかを明らかにするため、sox2/3/19a/19bのそれぞれ及び複数同時にノックダウンを行い、以下のことを明らかにした。 (1)四つのsox遺伝子を同時にノックダウンした胚では、神経組織の形成が著しく損なわれた。 (2)一つのsox遺伝子を残して、三つのsox遺伝子を同時にノックダウンした胚では、組み合わせに関わらず、残したsox遺伝子の発現している領域では神経組織の欠損がほとんど見られなかった。 (3)一つのsox遺伝子を単独でノックダウンした胚ではほとんど影響が見られなかった。 以上のことから、グループB1 soxは初期の神経系の形成に重要であり、グループ内でほぼ共通の役割を担っているということが明らかにした。
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Research Products
(1 results)