2005 Fiscal Year Annual Research Report
医薬価値に優れた人工蛋白質の創製とその薬物治療の最適化・システムへの展開
Project/Area Number |
04J08476
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
向 洋平 大阪大学, 大学院・薬学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ファージ表面提示法 / Bioconjugation / mutein / TNF(腫瘍壊死因子) / X線結晶構造解析 |
Research Abstract |
蛋白質による疾病治療は、がんに対する抗体療法、ウィルス感染に対するサイトカイン療法の世界的な進展に伴って、更なる蛋白質製剤の開発への期待が加速度的に増している。これまでに私は、蛋白性医薬品による疾病治療(蛋白療法)の最適化を目指し、独自のファージ表面提示法(phage display system)を駆使することで、医薬価値に優れた様々な機能性蛋白質を創製してきた(Comb Chem High Throughput Screen.2005)。本年度はその次なるステップとして、各種機能性人工蛋白質の構造情報を集積し、そこから得られる知見から、特定の機能を有する分子の合理的設計へと展開可能なテクノロジー開発を開始した。その第一歩として、現在、Bioconjugationにより効果の飛躍的増強が観察されたLys欠損TNF変異体; KO(Nat.Biotechnol 2003)とそのレセプターとの複合体を作製し、そのX線結晶構造解析を行っているところである。さらには様々な機能を有する(レセプター選択性を有する、活性増強変異体など)変異体単独の構造解析も行っており、現在複数の変異体の結晶構造を得ている。このような構造情報の集積は、今まで私が作製してきた変異体の「機能」と「構造」の連関を解明するものであり、例えば今後の医薬品として有用なターゲットに対する高い特異性を有した低分子アンタゴニストなどの設計も可能とするであろう。本方法論は、将来的に、疾患関連蛋白質に対する効果的治療法の確立における基盤技術となることを期待している。
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Research Products
(1 results)