2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04J08491
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山本 雅裕 大阪大学, 医学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | Toll-like receptor / NF-kB / ユビキチン |
Research Abstract |
自然免疫系は、細菌やウイルスなどの病原体の侵入を監視しそれを排除する生体防御システムである。自然免疫系がひとたび微生物の存在を探知すると炎症性サイトカインを産生し、生体内で炎症を引き起こす。それと同時に、T細胞やB細胞といった、リンパ球の活性化を誘導し、侵入してきた微生物に対する感染防御機構を成立させる。この自然免疫系における微生物の認識に関与する細胞膜貫通型受容体としてTLRファミリーが知られている。また、TLRファミリーの細胞内領域と相同な細胞内領域を有するIL-1受容体ファミリーは、その細胞内ドメインであるTIRドメインより活性化シグナルを発し、MyD88-IRAK-TRAF6などのアダプター分子を経てNF-kBやMAPKの活性化を引き起こす。TRAF6の下流でどのようにしてNF-kBの活性化に必須の分子であるIkBキナーゼ(IKK)が活性化するかということに関しては、以前にin vitroの実験によりユビキチン関連分子UBC13が関与するという報告がなされていた。今回、その生体内での役割を検証するためにUBC13欠損マウスを作製した。B細胞特異的なUBC13欠損マウスは自然免疫応答に深く関与するB細胞であるMarginal zone B細胞や腹腔内のB-1細胞の欠損が認められ、また、TLRリガンド刺激によるB細胞の増殖反応や細胞死の抑制効果が激減していたことから、B細胞の自然免疫応答におけるUBC13の必須の役割が示唆された。また、T細胞非依存的または依存的抗原でマウスを免疫し特異的な獲得免疫応答を検討したところ、それらの反応もUBC13欠損マウスで著しく低下していたことから、UBC13は自然免疫のみならず獲得免疫にも深く関与するシグナル伝達分子であることが示唆された。
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Research Products
(6 results)