2004 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロガス分析システムの開発及びその応用による微量大気成分の動態解析
Project/Area Number |
04J08610
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Research Institution | Kumamoto University |
Research Fellow |
大平 慎一 熊本大学, 大学院・自然科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | マイクロチャネルスクラバー / μGAS |
Research Abstract |
新しくハニカム状のマイクロチャネルに多孔質なメンブランを貼り合わせたガス拡散スクラバーを開発した。ハニカム状のチャネルにより微少空間でもスムーズな溶液の流れが得られ,かつ広い表面積を確保することができた。マイクロチャネルスクラバーによって従来のアンニュラー型スクラバーに比べ,3〜4倍の高い捕集効率が得られた。 また,測定精度向上のために数μL/minレベルでの流量制御法について検討した。微少流量をモニターするフローセンサーはマイクロチャネル上のペルチェ素子とその両側に設けた温度センサーから成り,上流と下流の温度差から流量を得た。さらに,ピエゾアクチュエータを用いたバルブにフローシグナルをフィードバック制御することで一定流量を得ることに成功した。 本システムを用いて硫化水素と二酸化硫黄の同時測定を試みた。硫化水素はフルオレッセイン酢酸水銀による蛍光消光反応により定量し、蛍光検出のために超小型蛍光検出器を開発した。二酸化硫黄は導電率変化を利用し,微細加工により作成した白金電極により導電率検出器により測定した。流量制御,スクラバー,検出器,ゼロガス生成カラム,電磁弁をすべて一体化し,小型の箱に収めることでフィールド上でのオンサイト分析対応システムとした。検出限界は,硫化水素で0.1ppbv,二酸化硫黄で1.9ppbvであり,大気中の濃度を十分に測定できる。また,試薬の消費量も1日10mLと極めて少なく,環境に優しい分析システムである。
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Research Products
(2 results)