2004 Fiscal Year Annual Research Report
超高速・大容量な周波数領域における光符号分割多元接続通信方式の研究
Project/Area Number |
04J08640
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
五十嵐 保隆 埼玉大学, 理工学研究科, 特別研究員DC2
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Keywords | コヒーレント超短光パルス / 符号分割多元接続 / 多パルス-パルス位置変調 / CDMA / MPPM / 非線形閾値装置 / M系列 |
Research Abstract |
将来の高速光ファイバ通信の多重方式としてコヒーレント超短光パルス符号分割多元接続通信システム(以降、本システムと称す)に注目し、三つの課題に取り組み良好な成果を挙げた。本システムの特徴は信号が広帯域で高速通信が容易なこと、非同期通信ができること、多数のユーザを一つのチャネルに収容できることにある。コヒーレント超短光パルスは持続時間がピコ秒以下と極めて短く、その位相スペクトルを符号化することで多重化を実現する。 一つ目の課題は本システムに多パルス-パルス位置変調(Multipulse Pulse-Position Modulation, MPPM)方式を導入し、特性改善を図ることである。MPPMは一つの信号ブロック中に複数パルスが存在し、ビット誤り特性と通信速度に優れている方式である。本システムのビット誤り特性を理論的に解析した結果、MPPMは優れたビット誤り率を達成できることを示した。また、一つの信号ブロック中の最適パルス数はユーザ数と伝送速度に反比例することが分かった。 二つ目の課題は本システムに非線形閾値装置を導入し、超短光パルスと干渉雑音を正確に識別することである。非線形光学閾値装置とは非線形光学現象を利用した信号識別装置であり、超高速な応答特性をもっている。本システムの特性を理論的に解析した結果、400フェムト秒の超短光パルスと100ピコ秒の干渉雑音を正確に識別できることが判明した。また最適閾値はパルスのピークパワー及びユーザ数に比例することを明らかにした。 三つ目の課題は本システムに四値M系列符号を導入し、更なる特性改善を図ることである。四値M系列とは通常の二値M系列を使って生成できる系列で、本システムに適した符号系列である。四値M系列の相関特性を導出し、本システムのビット誤り特性を解析した結果、四値M系列は二値M系列よりも良好なビット誤り率を提供できることを明らかにした。
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Research Products
(1 results)