2005 Fiscal Year Annual Research Report
超高速・大容量な周波数領域における光符号分割多元接続通信方式の研究
Project/Area Number |
04J08640
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
五十嵐 保隆 東京理科大学, 工学研究科経営工学専攻, 特別研究員(PD)
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Keywords | コヒーレント超短光パルス / 符号分割多元接続通信方式 / CDMA / 非線形閾値装置 / 時間領域符号化 / ディジタル変調方式 |
Research Abstract |
将来の高速光ファイバ通信の多重方式としてコヒーレント超短光パルス符号分割多元接続通信システム(以降、本システムと称す)に注目し、三つの課題に取り組み良好な成果を挙げた。本システムの特徴は信号が広帯域で高速通信が容易なこと、非同期通信ができること、多数のユーザを一つのチャネルに収容できることにある。コヒーレント超短光パルスは持続時間がピコ秒以下と極めて短く、その位相スペクトルを符号化することで多重化を実現する。 一つ目は本システムに時間領域符号化方式を導入し、特性改善を図った。時間領域符号化を用いることにより、光双極パルスの時系列をユーザ符号として利用できるようにした。光双極パルスは光単極パルスよりも優れているため、システムの特性改善に有効である。ビット誤り率を理論的に解析した結果、提案したシステムは、光単極パルスを用いた従来のシステムに比べて、より低いビット誤り率でより多くのユーザを収容できることが分かった。この結果から、提案システムは超高速光ファイバ網において非常に実用性が高いと言える。 二つ目は本システムに非線形閾値装置を導入し、超短光パルスと干渉雑音を正確に識別した。非線形光学閾値装置とは非線形光学現象を利用した信号識別装置であり、超高速な応答特性をもっている。本システムの特性を理論的に解析した結果、超短光パルスと干渉雑音を正確に識別できることが判明した。また最適閾値はパルスのピーク電力及びユーザ数に比例することを明らかにし、誤り率の低減には閾値装置の性能改善が不可欠であることを示した。 三つ目は本システムに振幅変調、周波数変調、位相変調などのディジタル変調方式を導入し、加えて信号の同期/非同期方式を導入し、更なる特性改善を図った。それぞれの変調方式、同期/非同期方式のビット誤り率を解析し特性を比較した結果、同期方式は非同期方式よりも誤り率が1桁低いことを明らかにした。また位相変調方式は振幅変調方式よりも誤り率が約9桁低いことも明らかにした。
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Research Products
(1 results)