2004 Fiscal Year Annual Research Report
細胞核にコードされた葉緑体局在型RNAポリメラーゼの機能解析
Project/Area Number |
04J08650
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
壁谷 如洋 埼玉大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | シロイヌナズナ / ファージ型RNAポリメラーゼ / 葉緑体 / ミトコンドリア / 転写 / ヒメツリガネゴケ |
Research Abstract |
高等植物の葉緑体の転写は、葉緑体にコードされている原核型RNAポリメラーゼ(PEP)と細胞核にコードされているRNAポリメラーゼ(NEP)が関与している。発生初期の葉緑体の転写は主にNEPが行っており、その後PEPが構成され主な転写装置はPEPへと変わる。現在、NEPの正体は細胞核にコードされているファージ型RNAポリメラーゼ(RpoT)であると推測されているが、証明されていない。本研究は、シロイヌナズナのNEPの候補であるAtRpoT;3遺伝子欠損株の作製と解析、および相互作用する因子の探索を行い、NEPの構造と機能を解明することを目的としている。平成16年度は主に、AtRpoT;3欠損変異体の作出を行った。まず、シロイヌナズナに存在するRpoTをコードする3個の遺伝子(AtRpoT;1、AtRpoT;2、AtRpoT;3)の各器官における転写産物量をRT-PCRにより調べた。次に、SALKのタグラインにあるAtRpoT;3遺伝子にT-DNAが挿入されている植物体の解析を行ったが、T-DNAはAtRpoT;3遺伝子には挿入されていなかったことが明らかになった。そこで、RNA干渉法(RNAi)により負に制御する植物体の作製を行った。AtRpoT;3遺伝子に特異的な配列を含んだRNAiベクターを、アグロバクテリウムを用いてシロイヌナズナに導入し形質転換を行った。その結果得られた形質転換体は、子葉のみが白化するという表現型を示した。今後、この形質転換体の解析を行う予定である。 また、免疫ブロットとGFP融合タンパク質を用い、ヒメツリガネゴケの2個のRpoT(PpRPOT1、PpRPOT2)が葉緑体には局在せず、ミトコンドリアにのみ局在することを示し、その成果を論文として発表した。
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Research Products
(1 results)