2006 Fiscal Year Annual Research Report
神経再生の分子メカニズムの解明と中枢神経再生への応用
Project/Area Number |
04J08774
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Research Institution | Osaka City University |
Research Fellow |
奥山 範子 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 運動神経再生 / Dnmt1 / Smadファミリー分子 |
Research Abstract |
・損傷運動ニューロンにおけるSmadファミリー分子の発現変化 TGF-β及びBMP受容体下流に位置するSmadファミリー分子の損傷運動ニューロンにおける発現動態を検討した。ラット片側舌下神経切断モデルを用いて、RT-PCR法、及びin situ hybridization法によりSmadファミリー分子のmRNA発現量変化を検討した結果、Smad1、2、3、4のmRNAが損傷側で有意に発現上昇し、Smad8 mRNAが発現抑制されることが明らかになった。免疫組織化学を行った結果、神経損傷後細胞質でSmad1、2、4の顕著な免疫陽性反応の増加が認められた。 神経損傷後のこれらSmadファミリー分子の細胞質における機能は現在のところ不明であるが、損傷運動ニューロンの生存・再生へ向けてSmad1、2、4が何らかの役割を果たしている可能性が高いことを示された。 ・損傷運動ニューロンにおけるDnmt1分子の発現 変化エピジェネティクス因子のひとつであるDNAメチル化転移酵素(Dnmt)の発現について、片側舌下神経切断モデルを用いて検討した。RT-PCR法及びin situ hybridization法にてDnmtファミリーの発現を検討した結果、緩徐な細胞死が引き起こされるマウス損傷側でDnmt1 mRNAが有意に発現上昇していた。一方、修復・再生モデルであるラット損傷側ではDnmt1 mRNA発現量は変化しなかった。免疫組織化学の結果、Dnmt1は術後24時間目より、マウス損傷運動ニューロンの核内に集積することが明らかとなった。 運動ニューロンの生存に関与する一部の遺伝子群は転写開始点付近にCGに富んだ領域を持ち、エピジェネティクス因子による転写制御を受けている可能性があり、損傷運動ニューロンのダイナミックな遺伝子発現制御にDnmt1が何らかの重要な役割を果たしていることが示唆された。
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Research Products
(1 results)