2004 Fiscal Year Annual Research Report
サケ科魚類視蓋での視覚情報処理機構および視覚記憶におけるその役割についての研究
Project/Area Number |
04J09105
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Research Institution | Hokkaido University |
Research Fellow |
木下 雅恵 北海道大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ニジマス / 視蓋 / 脳質周囲層ニューロン |
Research Abstract |
視蓋の脳室周囲層には,投射先や形態の異なる複数種のニューロンの細胞体が混在している可能性があり,それを明らかにするために,視蓋脳室周囲層ニューロンの軸索の投射先を,バイオサイチンやbiotinylated dextran amineなどのトレーサーを用いて検出した.まず,側線感覚を司る脳部位である半円堤に投射する脳室周囲層ニューロンを逆行性トレーサー(biotinylated dextran amine)を注入することによって調べた.標識された脳質周囲層ニューロンはその樹状突起と軸索の形態から,以下の3種類に分類された.(1)層構造に垂直に伸びた樹状突起が浅線維灰白層で分枝するニューロン.これは1981年のMeekによる金魚の視蓋ニューロンの分類における,Type XIVニューロンの形態に類似していた.(2)樹状突起が中心白質層で分枝し,この層に留まるニューロン.これは金魚の視蓋においては中心白質層に細胞体を持つ,Meekの分類によるType XIIIニューロンの形態に類似しており,このTypeの亜種と考えられる.(3)層構造に垂直に伸びた樹状突起が視神経線維層で分枝するニューロン.このニューロンはコイにおいて峡核に投射するニューロンと形態が似ており,軸索が半円堤を単に通過しているために標識された可能性がある. また,これらの実験と同時に,スライスパッチクランプ法を用いて,視蓋脳室周囲層ニューロンの活動電位発生パターンの記録と,バイオサイチンを用いた細胞内染色を試みた.これにより,辺縁層まで広がる樹状突起を持つ脳室周囲層ニューロンが多数存在することが明らかになった.これまでどの魚種でもこのような形態のニューロンは報告されていない.
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Research Products
(2 results)