2004 Fiscal Year Annual Research Report
試験管内翻訳系を用いたシスタチオニンγ-シンターゼのmRNA安定性制御機構の研究
Project/Area Number |
04J09242
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
櫻井 玲子 北海道大学, 大学院・農学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | シロイヌナズナ / シスタチオニンγ-シンターゼ / mRNA安定性制御機構 / S-アデノシルメチオニン / メチオニン |
Research Abstract |
シロイヌナズナのシスタチオニンγ-シンターゼ(CGS)は植物においてメチオニン生合成の鍵となる段階を触媒している酵素である。これまでの研究から、CGSはメチオニン添加に応答して負のフィードバック制御を受けていることがわかった。この制御にはCGS第1エキソンが必要十分な領域であること、CGS第1エキソンの塩基配列ではなくアミノ酸配列が重要であることがわかっている。さらに、CGS第1エキソンのポリペプチドはシスに働くことから、このポリペプチドとmRNAが近接しているとき、つまり翻訳中にこの制御が行われていると考えられた。そこで、小麦胚芽抽出液を用いてin vitro翻訳系を確立し、この制御のエフェクターはメチオニンではなく次の代謝産物であるS-アデノシルメチオニン(SAM)であることがわかった。In vitro翻訳反応後のmRNAを解析したところ、SAM添加に応答して5'側を欠いた分解中間体と考えられるmRNAが検出され、この分解中間体の5'末端をプライマー伸長法を用いて決定したところ、この制御にとって重要なMTO1領域近傍に数箇所みつかった。このmRNA分解中間体がエンドヌクレアーゼによるものなのか、エキソヌクレアーゼによるものなのかを調べるために、5'側のmRNA分解中間体の検出を試みた。32PラベルしたRNAを用いてin vitro翻訳し、5'側特異的なプローブを用いてセレクションを行い検出した結果、5'側を欠いた分解中間体の5'末端と一致するものと一致しないものが検出された。一致したものはエンドヌクレアーゼによるものだと考えられる。しかし、一致しないものについては翻訳反応には影響しないがヌクレアーゼ反応は阻害するというヌクレオチドを用いて現在解析中である。
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