2004 Fiscal Year Annual Research Report
イネの易変性ヴィレッセント変異に係る新規DNAトランスポゾンの解析
Project/Area Number |
04J09255
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
高木 恭子 北海道大学, 大学院・農学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | イネ / DNAトランスポゾン / 自律性因子 / 非自律性因子 / 異変性変異 / トランスポゾンディスプレイ / タギング / 遺伝子機能解析 |
Research Abstract |
本研究は、イネの交雑後代に分離した易変性ヴィレッセント変異体から同定された、非自律性の新規DNAトランスポゾン(nDartと命名)およびその関連因子において、トランスポゾンディスプレイ(TD)等での解析を用いて新規挿入変異や自律性因子の同定を行い、新たなタギング系を確立することを目的としている。今年度の主な目標はトランスポゾンディスプレイの確立であったが、全ゲノム配列が公開された日本晴および挿入領域が特定された易変性ヴィレッセント変異関連系統のゲノムを用いて、大部分のDart関連因子の増幅が可能な実験系を確立した。 1、日本晴を用いたTD解析 BLAST検索に基づく解析により、日本晴には約15のnDartと、末端配列が相同で内部に転移酵素をコードする可能性のある自律性因子様の因子が約50同定されたので、これらの因子のそれぞれの近傍配列データから目標とするバンドパターンを計算し、実際のTD泳動像と比較した。Dart関連因子はGC含量が極めて高く、PCR増幅は困難であったが、プライマーやDNA polymeraseを多数検討した結果、約8割のDart関連因子の増幅が可能となった。 2、易変性ヴィレッセント変異関連系統を用いたTD解析 上記の実験系を用い、易変性あるいは安定なヴィレッセント系統と、nDartが脱離した復帰系統をディスプレイで比較したところ、予想されるサイズにバンドの有無の差が検出され、さらに新規の挿入部位も同定できた。また、これらのバンドに関してはゲルから切り出してシーケンス解析を行い、挿入された染色体領域を確認した。 現在はさらに検出頻度の高いディスプレイ系を目指すとともに、他の挿入変異系統や自律性因子分離集団においてもTD解析を進めているところである。今後はそれと平行してイネにおけるDart関連因子の分布に関しても調査を行う予定である。
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