2005 Fiscal Year Annual Research Report
イネの易変性ヴィレッセント変異に係る新規DNAトランスポゾンの解析
Project/Area Number |
04J09255
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
高木 恭子 北海道大学, 大学院農学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | イネ / DNAトランスポゾン / 自律性因子 / 非自律性因子 / 易変性変異 / トランスポゾンディスプレイ / タギング / 遺伝子機能解析 |
Research Abstract |
本研究は、nDartと名付けたイネの新規DNAトランスポゾンおよびその関連因子において、トランスポゾンディスプレイ(TD)等の手法を用いて新規挿入変異や自律性因子の解析を行ない、新たなタギング系を確立することを目的としている。今年度は昨年度確立したTD実験系をさらに改良すると共に、同実験系を用いての新規易変性変異体の原因遺伝子の同定に成功した。 1、nDart関連因子の種類別TD解析 ゲノム配列が公開されている日本晴には現在81個のnDart関連因子が同定されており、それらは因子のサイズや配列相同性に基づき7種類のサブグループに分類されている。昨年度はこのうち4つのサブグループに関して、1種類のプライマーを用いて同時にTD増幅を行なったが、今年度はnDart関連因子の分布や転移能の詳細な調査を目的として、各サブグループの特徴的な配列部位にプライマーを設計したところ、7種のnDart関連因子を80%以上の効率で増幅できる種類別のTD増幅が可能となった。 2、新規易変性変異体の原因遺伝子の同定 最初にnDartが同定された易変性ヴィレッセント変異体の後代には、新規易変性変異体が複数分離している。今年度はそれらの中から、復帰変異体ホモ個体が得られた2つの易変性変異体(ジベレリン非感受性矮性変異体、アルビノ変異体)に関して、TD解析による原因遺伝子の同定を試みた。その結果、どちらの遺伝子も変異体特異的なバンドが得られたので、バンドの塩基配列の解析からnDart挿入領域を特定し、原因遺伝子を同定した。 今後は、今年度確立した種類別のTD実験系を用いて多数のイネ系統や自律性因子を保持する系統の後代集団を解析し、各因子のイネゲノム内の分布や転移頻度を調査する。また、さらなる新規易変性変異のTD解析を行なうと同時に、今年度同定された遺伝子の機能解析も行なう予定である。
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