2006 Fiscal Year Annual Research Report
イネの易変性ヴィレッセント変異に係る新規DNAトランスポゾンの解析
Project/Area Number |
04J09255
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
高木 恭子 北海道大学, 大学院農学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | イネ / DNAトランスポゾン / 自律性因子 / 非自律性因子 / 易変性変異 / トランスポゾンディスプレイ / タギング / 遺伝子機能解析 |
Research Abstract |
本研究は、易変性ヴィレッセント変異体pyl-vから同定されたイネの新規DNAトランスポゾンnDartによる遺伝子タギング系の確立を目的としており、トランスポゾンディスプレイ(TD)等の手法を用いて新規挿入変異や自律性因子の解析を行っている。昨年度までに信頼性の高いTD実験系の確立に成功したことから、今年度は同実験系を用いてnDart関連因子の転移能および挿入部位の特徴を調査した。 1.nDart関連因子の転移能調査 pyl-v自殖後代集団のTD解析により、イネゲノム内に存在する7種のnDart関連因子の転移能を調査した。その結果、pyl-vの原因遺伝子に挿入したnDart因子(nDart1-0)のホモログであるnDart1-3サブグループ因子のみが高頻度に転移しており、後代にも伝達していることが明らかになった。また、nDart1-0のみを特異的に可視化するTD系を確立して解析を行った結果、新規の挿入の半分以上はnDart1-0の転移によることが明らかになった。 2.nDart1-3サブグループ因子の新規挿入部位解析 上記1のTD解析で検出されたnDart1-3サブグループ因子の新規挿入バンドのシーケンス解析を行い、BLAST検索に基づいて約150の挿入部位を決定した。その結果、挿入箇所は大きな偏りなく染色体全域に分布し、挿入部位には特定の認識配列も存在していなかった。また、新規挿入因子の半分以上が予測遺伝子領域(非翻訳領城も含む)に挿入しており、特に5'-非翻訳領域へ挿入しやすい傾向が明らかになった。 以上の結果より、nDart1-3サブグループ因子は、特定の領域および配列への挿入制限を受けず、高頻度に遺伝子領城に挿入する傾向を持つことが明らかになった。同因子を用いた遺伝子タギングは、今後のイネの遺伝子機能解析において非常に有用な手法となると確信している。
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Research Products
(1 results)