2005 Fiscal Year Annual Research Report
酸化損傷DNA前駆体2-OH-dATPの哺乳動物細胞における変異誘発機構の解明
Project/Area Number |
04J09270
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
佐藤 和哉 北海道大学, 大学院薬学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | mutageneswis / 2-OH-dATP / 8-OH-dGTP / Y-family DNA polymerase / MTH1 |
Research Abstract |
1.損傷ヌクレオチドの哺乳動物細胞における変異誘発を解析する系を確立した。SV40 T Antigenに依存したプラスミドの複製が可能でこの種の実験に頻用されているCOS-7細胞を用い、種々検討の結果、損傷ヌクレオチドを市販のトランスフェクション試薬であるLipofectamineを用いることで、変異検出用のプラスミドと同時に導入することに成功した。8-OH-dGTPをこの方法により導入した場合には、特異的なA:T→C:Gトランスバージョンの誘発が確認された。2-OH-dATPについては現在大量合成中である。このようにLipofectamineを用いることで損傷ヌクレオチドによる変異誘発を検出することに成功したが、今後siRNAによるノックダウン条件での比較を行うことを考えるとさらに導入効率を高める必用がある。そこで新たに浸透圧シフトを利用した導入を試みたところ、添加したヌクレオチドの細胞内への取り込みが促進され、Lipofectamineで導入した場合の約10倍の頻度でA:T→C:Gトランスバージョンの誘発が確認された。現在この系の最適化を行っている。 2.さらにこの系がヒト細胞にも適用可能かどうか、ヒト胎児腎由来の293T細胞を用いて検討を行った。293T細胞においても8-OH-dGTP導入によりA:T→C:Gトランスバージョンが誘発された。今後は293T細胞に浸透圧シフト法を用いて2-OH-dATPおよび8-OH-dGTPを導入し、hMTH1およびY-family DNA polymeraseのノックダウンによる変異誘発の変化を調べる。
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