2004 Fiscal Year Annual Research Report
シナプトタグミンI/チュブリン結合の生理機能の解明
Project/Area Number |
04J09329
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
本多 敦子 群馬大学, 医学系研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | チュブリン / シナプトタグミン / シナプス小胞リサイクリング / エンドサイトーシス / シナプス前終末 / 微小管 / 細胞骨格 / ショウジョウバエ |
Research Abstract |
シナプス前終末におけるシナプス小胞リサイクルでのチュブリンの役割を示すため、ショウジョウバエのチュブリン変異体及び、UAS-GAL4誘導システムによる部位特異的なGFP-チュブリンの発現により、生きたショウジョウバエ幼虫の神経筋接合部を用いてチュブリンの機能解析を行なった。 変異体を用いた解析により、チュブリン変異が(薬物処理によりチュブリンのダイナミクスを阻害した際の以前の我々のデータと同様)神経終末におけるシナプス小胞の分布異常を引き起こすことを見出した。これらの神経終末での異常な小胞分布は、神経特異的な正常チュブリンの発現により正常な小胞分布に回復したが、筋特異的な正常チュブリンの発現では回復しなかったことから、神経終末においてチュブリンがシナプス小胞プールの形成に重要な役割を持つことを示唆した。また、GFP-チュブリンを神経特異的に発現させたショウジョウバエの神経筋接合部を用いて、神経終末におけるチュブリンとシナプス小胞の分布関係や、チュブリンのダイナミクスとシナプス小胞リサイクルとの関係を示した。これまでの結果によりシナプス前終末のチュブリンはシナプス小胞と共局在しており、神経終末の脱分極により引き起こされる軸索微小管の脱重合反応がシナプス小胞のリサイクルに関与していることを示した。 以上の結果を第27回日本神経科学/第47回日本神経化学会合同学会(大阪)、第34回北米神経科学学会(San Diego, CA)、及びCOE International young scientists seminar(群馬大学)において発表した。 更に、米国ミシガン州立大学のProf.Mary B.Rheubenの指導の下、神経終末におけるチュブリンの分布と小胞分布の関係について電子顕微鏡解析を行なった。
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