2004 Fiscal Year Annual Research Report
日本における女性労働市場の構造的特徴についての研究
Project/Area Number |
04J09348
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
藤本 加代 関西学院大学, 社会学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | 女性労働市場 / 学校推薦制度 / 大手企業 / OL / 一般職 / ネットワーク / 女子大学・短期大学 / 新卒 |
Research Abstract |
日本における新卒女性労働市場の構造的特徴について研究するため、首都圏にある女子大・女子短期大学で、最新(2004年度)のデータを収集した。具体的には、女子大・女子短期大学と大企業との組織ネットワークの有無を調べた。その結果、10年前に比べ、現在、学校推薦で大手企業に一般職として就職した生徒数はかなり減ってきている。おそらく、長引く不況と、学校推薦を利用する傾向のある大手銀行の併合による大手銀行数の減少が影響しているのだろう。また、4年大学女子の学校推薦による就職状況にも変化が見られた。10年前に比べ、より多くの4大卒女子が大手銀行に準総合職として就職する傾向が高くなっている。しかし、金融業以外の産業では、4大卒女子の大手企業就職は職種を問わず、以前厳しい状況である。学校推薦制度のもう一つの形態である、逆推薦制度(生徒が内定をもらったあと、企業に学校からの推薦状を提出する)も、依然存在している。しかし、それが、学校と大企業との組織ネットワークの存続に影響する確率は低いように思われる。最後に、10年前に比べ,一般公募(特にインターネット)による応募方法が現在では主流になっているようだ。しかし、大手企業(特に金融業界)は依然として、学校推薦に頼る傾向があるようだ。職種も一般職のみならず、営業職、販売職などのサービス職に就く新卒女子が増えている。この傾向は、保険業や製造業に多くみられる。学校と企業のネットワーク内での職種の変化と、応募方法の変化をもっと詳しく考察することが今後の研究テーマである。
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Research Products
(1 results)