2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04J09408
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
伴 貴彦 山形大学, 工学部, 特別研究員PD
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Keywords | 液滴振動 / 界面不安定性 / イオン選択 / 非平衡状態 / 液液界面 / 静的・動的界面張力 / 自発運動 / マランゴニー対流 |
Research Abstract |
物質移動を伴う油水界面における自発的界面振動現象は、生体類似型の刺激感知機能やエネルギー変換機能を持った自律性組織の設計を行う上で最適なモデルとなりうる。ノズル先端部に懸垂する液滴から連続相へ溶質が移動する際に、規則的かつ持続的な液滴の振動が生ずることを過表の研究で我々は見出した。本研究ではこの液滴振動の発生原因の究明と液滴間の相互作用に関する研究を行った。 物質移動を伴う液滴の振動モードの変化を調べた。ノズル中心線から液滴最右端の界面移動変位を測定した。物質移動が分散相から連続相に起こる場合、振動様式は二種類に分類することができる。液供給速度が低い場合、ゆっくりと振動するモードが初期段階に生じ、液滴が成長するにつれて細かい振幅を持つ速いモードが遅いモードに重なり、やがてその速いモードが支配的になり大きく成長する。液供給速度を大きくすると遅いモードは見られず、細かく速いモードが初期段階に生じ、やがて振輻が大きく成長していく過程が観測された。 液滴が振動している過程で液の供給を断つと、液滴振動は減衰しやがて停止する。その後液を再供給すると液滴の振動が再開する。物質移動の方向を連続相から分散相に変更すると、大きな振動は見られず、不規則かつ細かい左右の揺れが観測された。このことにより持続的な液滴の振動には、液の供給による液滴内部循環と液滴の成長に伴う界面の更新が重要な因子であることがわかる。 液滴内部流れと物質移動の可視化を行った結果、自発的かつ周期的な物質移動が生じていることがわかり、それに液供給を加えることにより持続的な内部循環流と物質移動が可能となり液滴の運動を支配していることが分かった。 また界面活性剤を使用し金属種との反応に選択性を持たせることにより、特定の金属種を感知して振動する液滴系を設計することに成功した。
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