2004 Fiscal Year Annual Research Report
電子・光機能性有機材料の創製と高効率有機EL素子への応用
Project/Area Number |
04J09422
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
渡部 惣一 山形大学, 大学院・理工学研究科, 特別研究員DC1
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Keywords | 有機EL / リン光 / 化学ドーピング / 外部量子効率 / パワー変換効率 |
Research Abstract |
薄型面光源用高効率有機EL素子の実現を視野に入れ、リン光有機EL素子の高効率化の検討を行った。具体的には、素子の駆動電圧を下げ低消費電力化および高いパワー変換効率をねらい、陽極および陰極界面に比抵抗10^<-5>〜10^<-6>Ω・cmを有するp型およびn型化学ドーピングバッファー層の挿入・またその時の挙動変化を検討した。p型材料には、ルイス酸分散アリルアミン系ポリマー材料、n型材料には低仕事関数を有するアルカリ金属:セシウムを分散したフェナントロリン誘導体を使用した。また、素子の配光分布を測定することにより、外部量子効率およびパワー変換効率の精密評価の検討を行った。 この結果、緑色発光素子において一定電圧時での著しいキャリア密度増加として挿入の効果が得られ、輝度1000cd/m^2時における電圧は4.0V以下と通常素子における駆動電圧の半分以下にすることに成功し、さらに陰極側および陽極側でドープ層/ノンドープ層の膜厚・構成比を最適化することにより外部量子効率20%、パワー変換効率70lm/Wという世界的にも高いレベルの効率を得ることに成功した。効率評価においても、有機光学膜厚における配光分布依存性が確認でき、本来、完全拡散面とされている有機EL素子の発光スペクトル、光取り出し効率など発光特性に大きく影響を及ぼすことが確認でき、その定量評価に成功した。
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