2005 Fiscal Year Annual Research Report
電子・光機能性有機材料の創製と高効率有機EL素子への応用
Project/Area Number |
04J09422
|
Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
渡部 惣一 山形大学, 理工学研究科, 特別研究員DC1
|
Keywords | 有機EL / エレクトロルミネッセンス / 量子効率 / ルーメン / 光束 / 長寿命 / ドーピング / りん光 |
Research Abstract |
本研究では、実用的な効率であるLm/Wという効率に着目し研究に着手した。具体的には、この効率を支配する因子、律速となる因子の解明を目的としおこなった。具体的には、下記三つの検討を行っている:(1)高量子効率化を目的とし、3.30eV以上と大きなエネルギーギャップを有するワイドギャプ材料における極低温状態における三重項エネルギーレベルの解明および有機EL素子への応用、(2)低電圧駆動化の観点からp型、n型化学ドープ層を電極界面に挿入した素子設計、(3)スネルの法則を基盤とした光学干渉効果において、光学シミュレーションを行うことによる最適化条件の因子探索を行っている。以上の実験により、緑発光素子において100cd/m2時(駆動電圧:3.05V)においてパワー変換効率90lm/W、外部量子効率24.5%、1000cd/m2時(3.42V)において23.5%、77lm/Wという優れた特性が得られている(配光空間分布測定による精密評価)。また、本研究で使用した光学シミュレーションや(配光分布)精密測定などのシステムは独自に構築したものである。これら得られた値は、これまで世界各国の研究グループから報告されている値の中でも最も高く、他の無機デバイスを圧倒する値であるが、現在、その他の律速因子解明によるさらなる高効率化を検討している。この結果に加え平行して、長寿命化の検討も行っており(特に熱劣化の観点から)、材料および素子(有機薄膜界面等)の観点から一つ一つ因子を分離することにより、劣化因子の解明を行っており、実用レベルに達する高耐久性素子の研究も行っている。
|