2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04J09483
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
平野 祐子 (財)東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所・外部支援研究員
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Keywords | プロテアソーム / シャペロン / 分子集合 |
Research Abstract |
プロテアソームは、標的たんぱく質を分解するための目印となるユビキチンと連携して選択的にたんぱく質を分解することで、生命活動に必須な役割を果たしている。プロテアソームは、分子量250万、総サブユニット数約100個から構成された巨大で複雑な酵素複合体であるが、この複合体がどのようにして形成されるかは大きな謎であった。 前年度は、プロテアソームの新奇の相互作用タンパク質として同定したPAC1(Proteasome Assembling Chaperon-1)とPAC2を同定した。本年度は、PAC1-PAC2複合体がプロテアソームの分子集合の初期の段階を促進する新しい分子シャペロンであることを明らかにした。 1.PAC1とPAC2はヘテロ二量体を形成し、プロテアソーム形成の最初のステップであるαリングの形成の土台となっていた。 2.PAC1-PAC2複合体は形成されたαリング同士が凝集してしまうことを防ぐことにより、ハーフ・プロテアソームの形成を促進することを突き止めた。もし、細胞内のPAC1、PAC2の発現を抑制すると、"出来損ない"のプロテアソームが大量に生じてしまう。 このようにプロテアソームの分子集合は、多段階からなる会合反応が逐次的に整然と進行して、正しい複合体を形成するプロセスからなることが初めて判明した。 本成果は、英国学術雑誌「Nature」に発表した。
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Research Products
(2 results)