2005 Fiscal Year Annual Research Report
ミツバチの社会行動及び脳領野特異的に発現する遺伝子の同定と機能解析に関する研究
Project/Area Number |
04J09498
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Research Institution | Tamagawa University |
Principal Investigator |
高橋 純一 玉川大学, 学術研究所, 特別研究員(PD)
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Keywords | セイヨウミツバチ / トランスジェニック / ウイルスベクター / エレクトロポレーション / RNAi / qRT-PCR |
Research Abstract |
セイヨウミツバチの成虫の脳内へエレクトロポレーション法によりプラスミドを導入し、一過性の遺伝子の発現増加およびdsRNAの発現プラスミドベクターの導入でRNAi機構による発現抑制に成功した。さらにこの技術を発展させて、遺伝子導入個体に対する電気処理の影響を最低限に抑えることにより、処理個体の記憶・学習実験系への利用を可能にした。 セイヨウミツバチの簡易的なトランスジェニック体作製法の開発に成功した。組換えウイルスベクターを利用して、雄成虫にウイルス感染させて得られた精子を使用して人工授精法によりF1世代に対してのgerm-lineへの遺伝子導入に成功した。またこの技術を応用して新規に開発したparental-injection法によって、これまで初期胚に対して顕微注入法を使用していた昆虫種を含めて親個体にウイルスベクターを使って感染させることにより次世代の一部の個体でgerm-lineへの遺伝子挿入が確認された。この方法は、従来の難易な顕微注入技術を必要としないため、きわめて有用な方法になると思われる。 またミツバチの社会行動機構と脳組織で特異的に発現していると思われる4つの候補遺伝子(Am-121,Am187,Am322,Am443)の単離に成功した。これらの遺伝子については、完全長のサブクローニングを行った。そして、リアルタイムRT-PCRによる発現定量を行ったところ行動および組織特異的に発現していることを確認した。
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