2006 Fiscal Year Annual Research Report
動物細胞ゲノムの複製機序とその破綻により働く機能的複製制御機構に関する研究
Project/Area Number |
04J09589
|
Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
杉村 和人 三重大学, 大学院生物資源学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | 複製フォーク / DNAファイバー / FISH / 複製開始点 / Topoisoraerase I阻害剤 / CPT / PARP-1 / DT40 |
Research Abstract |
DNAフアイバー上で未知の複製開始点を探索するために、標本DNAの変性無しでプローブDNAのハイブリダイゼーションが可能な、non-denaturing FISHを新規に開発した。これとin vivo複製標識法を用い、ヒト1番染色体q32領域内の特定領域(150-200kb)内に複製開始点が存在することを示すことができた。この手法により哺乳類染色体上の特定領域における複製開始点をDNA-分子上で解析することが可能となった。 Topoisoraerase I阻害剤CPTによりDNA損傷を与えた時の複製フォーク進行制御機構を解析した。CPT処理により、複製フォークは有意に減速したが、poly(ADP-ribose)polymerase(PARP)を特異的阻害剤で処理すると、有意に回復した。また、PARP-1 siRNA処理細胞でも同様に、CRT処理により減速したフォークの速度は有意に回復した。さらに、PARP-1ノックアウトDT40細胞においてもCPT処理による複製フォークの減速がられなかった。また、DNA polymeraseβノックアウトDT40細胞ではフォークの減速が回復することは無かった。これら結果より、PARP-1はCPTによるDNA複製依存的DNA損傷に応答して複製フォークの進行を制御していることがわかった。 転写調節因子ElonginAの欠損は、プログラム細胞死(アポトーシス)を引き起こす。その原因がDNA複製の異常に起因すると推測し、ElonginA欠損マウス由来胎児性繊維芽細胞を用いて、DNAファイバー法とin vivo複製鎖標識法を用いて複製フォークの進行速度を解析した。その結果、ElonginA欠損細胞では複製フォークの進行が停止または大きく遅延していることを見出した。このことから、ElonginA欠損による細胞死は、複製フォーク進行異常に由来すると結論づけた。
|
Research Products
(4 results)