2005 Fiscal Year Annual Research Report
季節性と長期性をもつ経済時系列の理論展開と実証分析
Project/Area Number |
04J09596
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
片山 直也 一橋大学, 大学院・経済学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 時系列解析 / 統計学 / 計量経済学 / 確率論 |
Research Abstract |
研究実績を時系列的に説明する. 平成17年度の前半(12月頃まで)は,主に,モデル選択問題に取り組んだ.具体的には, 1.過去の研究の整理整頓 2.予測の平均二乗誤差(Prediction Mean Squared Error, PMSE)を最小化するようなモデル選択法の開発 3.導出した結果と過去の手法(代表的にはAIC)との関係の考察 2.が研究成果として最たるものである.具体的には,線形時系列モデルに対し,PMSEを元にしたモデル選択基準を与え,その性質をAICとの対比などから明らかにしている.予測の漸近相対効率に関する比較は,結局PMSEの差を見ることになる.対立仮説が必ずしも真のモデルを表さない状況下での検定方式を,一般化尤度比検定の枠組みで,予測の漸近相対効率のよしあしに関する多重検定として提案している.この枠組みでAICを解釈すると,モデルの大きさがほぼ同じで競合している場合には,対立仮説側のより複雑なモデルを選択する確率が大きいことが明らかになる.提案された検定方式の難点は,棄却点の計算が複雑なことであるが,その点を補うべくプログラムのアルゴリズムも考案している. また,後半(1月から3月頃まで)は,プログラミングと,論文執筆に追われた. 1.季節性と長期性をもつ時系列モデル(SARFIMAモデル)の推定・モデル診断・AICとBICによる自動同定・予測を行うプログラムの開発 2.SARFIMAモデルのデータ生成アルゴリズム,最尤推定のアルゴリズムの開発(主に自己共分散関数の有効な生成手法の開発) 3.電力需要データによる実証分析 4.論文の修正 幸いにも,最近,修正を条件として,論文を採用するとの返事をいただいたので,下記の研究成果に平成18年度は少なくとも2報はかけそうである.
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