2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04J09673
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
山口 圭子 一橋大学, 大学院・経済学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 長期性 / 構造変化 |
Research Abstract |
(1)定常長期記憶系列における構造変化の検定、(2)長期記憶モデルのファイナンスへの適用、の2つについて研究を進めた。 (1)構造変化点を既知として、平均変化、実数差分パラメータの変化、同時変化の3つの検定を考え、Lagrange multiplier (LM)統計量をtime domainで導出した。シミュレーションにより有限標本での振舞いを調べたが、特に実数差分パラメータの変化の検定でサイズ・ディストーションが大きいことがわかり、今後の課題である。以上を学会で報告した。 イギリスの月次物価上昇率について分析したところ、長期記憶性があり、平均と実数差分パラメータが同時に変化している可能性があることがわかった。その際、季節性も考慮できるように検定を拡張した。これについては、現在、投稿準備中である。 (2)近年、Realized Volatilityの研究が進んでいる。先行研究ではS&P 500のRealized Volatility系列に長期記憶性があることが示されている。日経225などの日本のデータについて、長期記憶モデルでの推定と検定(長期記憶性か、定常・非定常か)を行ったが、結果はモデルに依存してしまった。以上を研究会で報告した。周期性・非対称性・トレンド・構造変化などを加味したモデルの定式化を進めている。 なお、(2)は東京都立大学の渡部敏明教授との共同研究である。
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