2004 Fiscal Year Annual Research Report
第二次大戦後のハワイにおける日系社会の変容に日系宗教が与えた影響
Project/Area Number |
04J09674
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
高橋 典史 一橋大学, 大学院・社会学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ハワイ / 日系宗教 / 戦争 / 日系人 / エスニシティ / 移民 / 仏教 / 同化 |
Research Abstract |
本年度は採用初年度であるため、おもに修士課程における研究成果を発展させ、学会発表および投稿論文の執筆を中心に研究活動を実施した。特に、第二次世界大戦中のハワイにおいて、弾圧の対象となった日系仏教の主要教団の1945年から60年代にかけての教団の復興と信者の再編成の過程と、日系社会およびハワイ社会の変動との関係性についての調査・研究を進めた。2004年6月には、龍谷大学および同志社大学において資料収集を行った。さらに、2005年1月下旬から2月中旬まで、資料収集およびフィールドワークのためにハワイへ渡航し、資料の閲覧・収集およびインタビューなどを行った。その成果を、2005年3月の第19回国際宗教学宗教史会議世界大会において発表した(「第二次世界大戦後のハワイにおける日系仏教教団の変化--主要教団の戦後の復興活動に注目して」)。現在、その発表をもとに学術雑誌への投稿論文を執筆中である。 さらに、上記の研究と並行して、第二次世界大戦がハワイの日系宗教と日系社会へ与えた影響を明らかにするために、大戦以前の日系宗教教団と日系社会についての研究を進めた。その研究成果を、2004年6月に第12回「宗教と社会」学会学術大会において発表し(「20世紀初頭のハワイ社会における日系宗教批判の展開--日系人の同化と米国ナショナリズムをめぐる議論に注目して」)、さらに11月には、第77回日本社会学会大会において発表した(「排日運動への対応の文化資源としてのハワイ日系仏教」)。それぞれの研究は、現在、論文投稿の準備中である。 そして、各種研究会等に参加して研究発表を行うなどして、研究課題を進展させた。また、宗教研究、移民研究、地域研究の各領域にまたがる本研究課題を進めていくのに必要な基礎文献や資料のほか、パソコン、パソコン用ソフト、インタビュー用の録音再生プレーヤー等の機材を購入した。
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