2004 Fiscal Year Annual Research Report
アルコール代謝及び薬物代謝関連酵素活性別にみた環境要因と生活習慣病との関連
Project/Area Number |
04J09749
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Research Institution | National Institute of Health and Nutrition |
Principal Investigator |
齋藤 京子 独立行政法人国立健康・栄養研究所, 健康栄養調査研究部, 流動研究員
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Keywords | アルコール代謝関連酵素 / 飲酒 / 生活習慣 / 薬物代謝関連酵素 |
Research Abstract |
多くの疫学研究が飲酒と高血圧、脳出血、がん等の生活習慣病リスクとの関連を明らかにしてきており、特に近年では、日本や東アジアを中心にアルコール脱水素酵素2(ADH2)及びアルデヒド脱水素酵素2(ALDH2)の遺伝的活性の相違に注目したがん罹患リスクに関する疫学的研究が行われるようになっている。しかし循環器疾患に関連する研究は少なく、他の酵素(Cyp2e1等)を考慮した研究はほとんどない。また飲酒の健康影響に関する研究を進めるためには、習慣飲酒量を把握するための調査票の開発が必須となる。そこで今年度は、地域住民を対象として、飲酒習慣およびALDH2活性の評価項目を含む以下の3つのアンケート調査を実施またはデータ解析を行った。 (1)全国14地区(各地区30世帯)で、20歳以上の男女を対象として季節ごと(計4回)の調査を行った。調査内容は、飲酒習慣、フラッシング反応(簡易フラッシング質問紙法)、飲酒による食欲の変化、喫煙習慣、食事調査等。(2)M県の20歳以上の男女を対象とし、県民健康・栄養調査と併せて、飲酒習慣及び喫煙習慣の調査(聞き取り式と自記式)を行い、両調査法の比較検討を行った。(3)H県S郡の40-69歳の男女を対象とした調査において、ALDH2活性を「簡易フラッシング質問紙法」により判定し、24時間思い出し法と自記式質問紙法の飲酒量の比較を行った。 その結果、(1)2004年5月〜6月に調査を行った3地区の男女201人を解析したところ、フラッシング反応があった者は、反応がなかった者より、飲酒により食欲が増しにくい傾向が示唆された。(2)飲酒習慣および喫煙習慣の調査を523名に実施した。その結果は現在解析途中である。(3)320人の調査参加者の、24時間思い出し法と自記式調査法の飲酒量をALDH2活性別に比較したが、系統的な違いは認められなかった。ALDH2及びCyp2e1の遺伝子解析に関しては、現在、分析中である。 これらは日本公衆衛生学会総会及び疫学会総会で発表を行った。
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Research Products
(2 results)