2005 Fiscal Year Annual Research Report
地層形成数値シミュレーションモデルの開発と大型水槽実験、フィールドデータへの適用
Project/Area Number |
04J09770
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Research Institution | The University of Tokyo |
Research Fellow |
久保 雄介 東京大学, 海洋研究所, 特別研究員(PD)
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Keywords | 数値モデル / シュミレーション / 堆積環境 |
Research Abstract |
本年度は昨年度に引き続き、コロラド大学INSTAARにおいて数値モデルの開発、改良を行った。昨年度に行った水槽実験との比較による数値モデルの検証に続き、本年度は自然界へのモデルの本格的な適用を開始した。第一段階として、各種の観測データが豊富であり、また環境が比較的シンプルでモデルの適用に適した、アドリア海北部を対象とした数値計算を行った。ヨーロッパアルプスに源流を持つポー川の、最終氷期以降に相当すつ過去21,000年間の土砂供給量を推定し、その推定量を用いてアドリア海北部での堆積作用を数値計算で復元した。その結果、最終氷期以降の海水準の上昇に伴う堆積物の分布の変動を明らかにするとともに、数値モデルを用いて現在の地形から過去の地形を復元することに成功した。その結果は現在論文を雑誌Marine Geologyに投稿中である。 一月以降は東京大学海洋研究所において、関東平野から東京湾に至る地域での古利根川による堆積作用を対象とした数値モデリングを行っている。アドリア海での例と同様、最終氷期以降の沖積平野の形成過程を明らかにすることを目的としている。また他機関と連携して、コアサンプルなどのフィールドデータを用いたより詳細なモデルの検証を行っている。
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Research Products
(3 results)