2006 Fiscal Year Annual Research Report
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04J09813
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Research Institution | The University of Tokyo |
Research Fellow |
磯本 志のぶ (辻村 志のぶ) 東京大学, 大学院人文社会系研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 近代仏教 / アジア主義 / 植民地 / 宗教者ネットワーク / ナショナリズム |
Research Abstract |
今期の研究実績としては、前年度に引き続き朝鮮での日本仏教の活動に関する研究が深まったことが挙げられる。「日韓次世代学術フォーラム第3回国際学術大会」(2006年6月17-18日)では、「1929年の朝鮮における仏教の状況をめぐって-「朝鮮仏教大会」に見る仏教アジア主義」というタイトルで、朝鮮仏教大会をめぐる日本仏教の企図と朝鮮仏教側の対応について発表した。同フォーラムの公開討論「グローバリズムとナショナリズム」にはパネリストとして参加、日韓二国からこれらの問題を考えるのではなく、東アジア全体、と世界そのものをいかに有効に取り込んでいくかについて、各分野の代表者と意見交換を行い、「宗教者ネットワーク」はそのための重要な視座であるとの認識を新たにした。 また新たな視点として日朝仏教の最大の対立点のひとつである「肉食妻帯問題」に注目し、雑誌『朝鮮仏教』を基に、「日本宗教学会第65回学術大会」(2006年9月17日)では「雑誌『朝鮮仏教』にみる肉食妻帯問題」、「仏教史学会第57回学術大会」(2006年10月21日)では、「植民地期朝鮮における「肉食妻帯」の展開」、として発表した。これらは現在論文としてまとめている最中である。その際は、朝鮮の日本人社会における仏教の位置づけと、『朝鮮仏教維新論』を執筆した韓龍雲に代表されるような、同時期の朝鮮仏教における独立、近代化への模索という動向などをどのように関連づけていくかが課題である。
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Research Products
(2 results)