2005 Fiscal Year Annual Research Report
公的/私的領域の言説構成の批判的検証と、それに基づく現代政治倫理の再構築
Project/Area Number |
04J09869
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
石田 雅樹 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 政治倫理 / 公共性 / 古代ギリシア / アリストテレス / 民営化 / 民間軍事会社 |
Research Abstract |
政治思想史における「公的/私的領域」の分節化とその倫理の問題において、当年度における研究実績は以下のようなものであある。 1.「民営化」の孕む政治的問題(『相関社会科学』第15号、2006年3月) 現代政治において「民営化」の問題は、既存の「公的領域/私的領域」の枠組みを大きく揺るがすものであるが、その端的なものとして「民間軍事会社」(PMF)の問題に焦点を当てた。本論は、Peter W. Singer, Corporate Warrioirs(山崎淳(訳)『戦争請負会社』)において提示されるさまざまな倫理的問題を取り上げ、それに対する批評を行った。 2.秩序の「原理(アルケー)」をめぐる問題(『社会科学研究』社会科学研究所 投稿中) 昨年度において展開された古代ギリシアの「ポリス/オイコス」(=公的/私的領域)に関する研究は、当年度において、アリストテレスの「自足性(autarkeia)」に関する論稿として結実した。アリストテレスが提示する「ポリス/アイコス」のモデルは、今日まで「公的/私的」領域の枠組みに影響を与えるものだが、それを「自足性」という観念を中心として再考することで、新たな視点を切り開いた。 以上の本研究の内容と構成は、受入教官と随時討議を行い、適切な助言と批評を元に作成されたものである。当年度は以上のようなかたちで、「公/私」の分節化とその論理的問題についての研究が行われた。
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Research Products
(1 results)