2004 Fiscal Year Annual Research Report
素粒子論的宇宙論における密度揺らぎ及び暗黒エネルギーの研究
Project/Area Number |
04J10070
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高橋 智 東京大学, 宇宙線研究所, 特別研究員(PD)
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Keywords | 暗黒エネルギー / DGPモデル / 宇宙背景放射の揺らぎ / WMAP / カーヴァトンメカニズム / インフレーション / 密度揺らぎ |
Research Abstract |
様々な観測から、現在宇宙は加速膨張していることが示唆されている。暗黒エネルギーと呼ばれる成分が現在の宇宙の大部分を占めると考えることにより、宇宙の加速膨張を説明することが出来るが、この他に、大きなスケールで重力理論が通常のアインシュタイン重力からずれていると考えることにより、加速膨張を説明することもできる。我々の研究では、従来考えられてきた加速膨張を説明するブレーン宇宙のモデルを拡張し、さらにビッグリップと呼ばれる宇宙の将来に起こる可能性がある特異現象について、拡張したモデルでの可能性を議論し、さらに現在の観測からどのようなモデルのパラメター領域が許されるのか調べた。 密度揺らぎに関する研究も行った。宇宙背景放射の揺らぎの観測であるWMAPの結果から示唆される、宇宙背景放射のパワースペクトラムの波状の構造について、インフラトンのダイナミクスと関連してどのような場合に波構造が現れるかを調べた。 さらに、密度揺らぎの生成メカニズムで近年提唱されたカーヴァトンメカニズムについての詳しい研究も行った。特に、インフラトンからの密度揺らぎとカーヴァトンからの密度揺らぎが両方存在する場合に、宇宙背景放射の揺らぎなどの観測から得られるインフレーションのモデルに対する制限がカーヴァトン場が存在する場合にはどのように変更されるかを、詳細に調べ、どのような場合に制限が緩和され、また影響を受けないか、について明らかにした。
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Research Products
(3 results)