2005 Fiscal Year Annual Research Report
ブレーンワールドシナリオにおけるインフレーション宇宙論の理論的研究
Project/Area Number |
04J10083
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Research Institution | The University of Tokyo |
Research Fellow |
姫本 宣朗 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | ブレーンワールド / インフレーション / 背景重力波 |
Research Abstract |
ブレーンワールドシナリオの下で、より精錬されたインフレーションモデルの構築について、議論を行った。 Randall-Sundrumによって提唱された5次元ブレーンワールドモデル(RSモデル)の下で、重力と最小結合したバルクスカラー場を導入することで、ブレーン宇宙のみにインフレーションが引き起こされる、バルクインフラトンモデルについての拡張をおこなった、一般的にインフレーションを引き起こすモデルには、ファインチューニングの問題が避けて通れない。これまでのバルクインフラトンモデルでも、それは同様である。そこで、より現実的な、重力と非最小結合するバルクスカラー場を導入し、新たなインフレーションモデルについて議論を行った。 重力と非自明な結合をするスカラー場を導入したモデルは、ある適切な共形変換を施すことで、重力と最小結合するシステムに移ることができる。しかしながら、このとき、スカラー場のポテンシャルは、共系変換の影響で非自明な形に変換される。この新たなに導き出されたポテンシャルについて、詳しい解析を行った。その結果、インフレーションモデルにおけるファインチューニング問題が、共系変換によって解消されうる可能性について、指摘することができた。また高次元時空の中で位相欠陥として存在する、ブレーンワールドの中で、位相欠陥的インフレーションが導かれることも、この新たなポテンシャルから見出すことが出来た。 宇宙論的に生成される背景重力波は、インフレーションモデルを観測的に決定する上で、とても重要な観測対象である。しかしながら、とても微弱な信号の為、信号処理については、工夫を施さなくてはならない。そこで次世代の検出器を考慮に入れ、検出感度向上の為の提案についても行った。
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Research Products
(1 results)