2006 Fiscal Year Annual Research Report
高速多重極境界要素法に基づく波動的大規模音響数値予測手法の開発
Project/Area Number |
04J10186
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
安田 洋介 東京大学, 生産技術研究所, 特別研究員(PD)
|
Keywords | 高速多重極アルゴリズム / 境界要素法 / 反復解法 / 数値解析 / 連成解析 / 波動解析 |
Research Abstract |
高速多重極境界要素法(FMBEM)を用い、実用性、汎用性の高い3次元波動音響数値予測手法の構築を目指して研究を行っている。本年度の成果は以下のとおりである。 1.連成問題への適用手法に関して,前年度に引き続き検討を行った.前年度考案した領域分割法への適用手法を,本年度は3次元掘割道路からの音響放射問題へ適用し,実大規模問題における実用性を検証した.前年度同様,反復解法の収束性の問題が懸念されたが,解析周波数の増大に伴い反復回数が増加するものの,全未知数に比して十分小さな値に保たれていたことから,実用上十分な効率化が実現できたと言える.振動問題との連成ついては今後の課題となるが,開発した手法を原理的に適用可能なため,課題は基本的に反復解法の収束の問題のみとなる. 2.更なる効率化を目指して,並列化システムへの適用性について検討した.SMP機における並列化では,プロセッサの増加に伴い総計算時間は低減された一方,並列化不能なオーバーヘッド部に起因して並列化効率は低下した.クラスター機での並列化については,当初FMBEM特有の階層セル構造を利用した効率的実装について検討したが,実質的にはセル間で共有している情報が多く,通信によるオーバーヘッドから高効率な実装は困難であった.今後の課題である. 3.本手法の性能評価,及び既存の各種解析手法に対する位置づけのための研究として,日本建築学会環境工学委員会音環境運営委員会音響数値解析小委員会で設定されたベンチマーク問題を基に解析手法間での比較を行った。本年度は,筆者ら同様大規模解析の研究に従事している研究グループによる解析結果との比較検討を詳細に行い,精度・効率・適用性の観点から両手法を位置づけた.その成果を学術誌論文として発表した.
|
Research Products
(11 results)