2005 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ成形された材料の添加により誘起される液晶機能の評価
Project/Area Number |
04J10240
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
波多野 吏 東京大学, 大学院・工学系研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | カラムナー液晶 / キュービック液晶 / イオン伝導 / アルカリ金属イオン / ランタニド金属イオン |
Research Abstract |
トリフェニルホスフィンオキシド部位を組み込んだ新規液晶が金属塩添加に伴い相挙動が変化することを見出した。このトリフェニルホスフィンオキシド液晶・金属塩複合体の液晶相の詳細な同定を行った。トリフェニルホスフィンオキシド液晶とトリフルオロメタンスルホン酸ナトリウムの複合体は等方性液体状態の低温側において、光学的に等方な中間相を示すことが明らかになった。この中間層において小角X線散乱測定を行ったところ、[100]由来の強いシグナルと、[110],[111],[200]に帰属できる弱いピークが観察された。この結果より、中間相はPm3mの格子を有するキュービック液晶であることが明らかとなった。キュービック相から等方性液体への転移温度が最も高かった時のトリフェニルホスフィンオキシド液晶とトリフルオロメタンスルホン酸ナトリウムのモル比から、トリフェニルホスフィンオキシド液晶がナトリウムイオンに対して6配位錯体を形成してキュービック相を示したものと結論付けた。一方、トリフルオロメタンスルホン酸リチウムを添加すると、カラムナー相から等方性液体への転移温度が30℃以上も上昇することが明らかとなった。広角X線散乱測定を行ったところ、カラム内の分子のスタッキングに由来する[001]のピークが小角側にシフトし、トリフェニルホスフィンオキシド液晶分子のスタッキング距離が大きくなっていることが明らかになった。カラム間の距離はほとんど変化しなかったことから、トリフェニルホスフィンオキシド液晶分子の間にトリフルオロメタンスルホン酸リチウムがサンドイッチされていると考えられる。トリフェニルホスフィンオキシド液晶は金属イオンの種類によって、集合形態を様々に変化させることが明らかになった。
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Research Products
(1 results)