2006 Fiscal Year Annual Research Report
ユビキチン化タンパク質の26Sプロテアソームへの効率的ターゲティングの機構と意義
Project/Area Number |
04J10277
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
佐伯 泰 (財)東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 特別研究員(PD)
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Keywords | ユビキチン / プロテアソーム / タンパク質分解 / 出芽酵母 |
Research Abstract |
細胞内のタンパク質分解システムとして,ユビキチン・プロテアソーム系が脚光を集めている.このユビキチン・プロテアソーム系により分解されるタンパク質は,まずユビキチン化酵素群により選択的にポリユビキチン化され,それをシグナルとして26Sプロテアソームが捕捉し分解するという2つのステップにわけられていた.私を含むいくつかのグループが,この2つのステップ間をつなぐリクルート因子を同定し,ユビキチン化の後のステップ(ポリユビキチン化タンパク質のプロテアソームへのターゲティング)において重要な役割を果たしているというモデルを提唱した.現在,このモデルはユビキチン-プロテアソーム系の研究の焦点となっている. (1)26Sプロテアソームにより分解される任意のユビキチン化基質をユビキチンリガーゼの1つRsp5を用いることにより試験管内で簡便に調製する系を確立した.興味深いことに本方法により形成されるポリユビキチン鎖は,プロテアソームによる分解に関与しないはずのLys63リンクのユビキチン鎖であることを質量分析により同定した.この発見は従来の定説を覆すものである.本年度,Rsp5の生理的な基質かつ,26Sプロテアソームにより分解される基質を探索し同定した.現在,プロテアソーム変異体より,ユビキチン化された基質タンパク質を精製し,ユビキチン鎖のトポロジーを質量分析で解析中である. (2)上記の解析中,26Sプロテアソーム内在性のユビキチンレセプターは1つではなく複数存在することが明らかになった.現在,架橋剤と質量分析を用いて新規ユビキチンレセプターの同定を試みている.
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] The assembly pathway of the 19S regulatory particle of the yeast 26S proteasome2007
Author(s)
Erika Isono, E., Nishihara, K., Saeki, Y., Yashiroda, Y., Kamata, N., Ge, L., Ueda, T., Kikuchi, Y., Tanaka, K., Nakano, A., Toh-e, A.
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Journal Title
Mol.Biol.Cell 18
Pages: 569-580
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[Journal Article] Direct interactions between Nedd8 and ubiquitin E2 conjugating enzymes contribute to up-regulation of cullin-based E3 ligase activity2007
Author(s)
Sakata, E., Yamaguchi, Y., Miyauchi, Y., Iwai, K., Chiba, T., Saeki, Y., Matsuda, N., Tanaka, K., Kato, K.
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Journal Title
Nature Struct.Mol.Biol. 14
Pages: 167-168
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