2004 Fiscal Year Annual Research Report
ユビキチン化タンパク質の26Sプロテアソームへの効率的ターゲティングの機構と意義
Project/Area Number |
04J10277
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐伯 泰 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | ユビキチン / プロテアソーム / タンパク質分解 / 質量分析 |
Research Abstract |
細胞内タンパク質分解システムとして,ユビキチン-プロテアソーム系(以下UPS, Ubiquitin-Proteasome System)が脚光を集めている.UPSにおいて分解される運命にあるタンパク質は,まずユビキチン化酵素群により選択的にユビキチン化され,それをシグナルとして26Sプロテアソームが捕捉し分解するという2つのステップにわけられる.われわれを含むいくつかのグループがこの2つのステップ間をつなぐ因子Rad23/Dsk2を同定し,現在,このユビキチン化タンパク質のプロテアソームへのターゲティング機構がUPS研究の焦点となっている. 今年度,このターゲティング機構の解析を目的とし,ユビキチン化酵素と26Sプロテアソームについて,それぞれ解析を進めた.上記Rad23/Dsk2と遺伝学的にかつ物理的に相互作用するUFD系のユビキチン化を解析したところ,ユビキチン伸長因子であるUfd2は1つのユビキチン-ユビキチン結合を認識し,分解のためのユビキチン鎖を形成させることを質量分析等を用いて明らかにした.また,ユビキチンリガーゼRsp5を用いることにより様々なユビキチン化タンパク質を試験管内で調製する系を確立した(Methods in Enzymology,印刷中).一方,26Sプロテアソームのアフィニティ精製により,DNA損傷に関わる因子Dss1の酵母ホモログが26SプロテアソームのLidサブユニットであることを発見した.同じくLidサブユニットのRpn6,Rpn7についても解析を進め,これらのサブユニットがプロテアソームのユビキチン化タンパク質分解活性に必須であることを明らかにした.また,ユビキチン鎖アナログであるタンデムユビキチンを細胞内で発現させることにより26Sプロテアソームを特異的に阻害することを明らかにした.次年度は,これらの知見と材料により,ユビキチン化タンパク質がどのような機構で26Sプロテアソームにターゲティングされるか解析を進める.
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Research Products
(7 results)