2005 Fiscal Year Annual Research Report
ユビキチン化タンパク質の26Sプロテアソームへの効率的ターゲティングの機構と意義
Project/Area Number |
04J10277
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐伯 泰 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(PD)
|
Keywords | ユビキチン / プロテアソーム / プロテオリシス / 出芽酵母 |
Research Abstract |
細胞内のタンパク質分解システムとして,ユビキチン-プロテアソーム系が脚光を集めている.このユビキチン-プロテアソーム系により分解されるタンパク質は,まずユビキチン化酵素群により選択的にポリユビキチン化され,それをシグナルとして26Sプロテアソームが捕捉し分解するという2つのステップにわけられていた.私を含むいくつかのグループが,この2つのステップ間をつなぐリクルート因子Rad23/Dsk2を同定しユビキチン化の後のステップ(ポリユビキチン化タンパク質のプロテアソームへのターゲティング)において重要な役割を果たしているというモデルを提唱した.現在,このモデルはさらに拡大し,ユビキチン-プロテアソーム系の研究の焦点となっている. 今年度,本研究課題の遂行を目的とし,26Sプロテアソームにより分解される任意のユビキチン化基質をユビキチンリガーゼの1つRsp5を用いることにより試験管内で簡便に調製する系を確立した(Methods in Enzymology,399,2005,215-227).興味深いことに本方法により形成されるポリユビキチン鎖は,プロテアソームによる分解に関与しないはずのLys63リンクのユビキチン鎖であることを質量分析により同定した.この発見は従来の定説を覆すものである.Rsp5の生理的な基質であるRNAポリメラーゼIIのラージサブユニットRpb1の分解を試験管内で再構築に成功し,前述の発見が支持された.現在,細胞内においてRpb1がどのような経路で分解されるかの詳細を解析中である.
|
Research Products
(3 results)